機械修理 森精機 CL200 ドローバー
森精機のガントリー付きNC旋盤「CL-200」でドローバーの押し不足
もともと中古で購入した森精機のCL-200(ガントリーロボット付)ですが、そもそも最初から当たりがよくなく結構致命的な状態であることが後から判りました。おそらく購入までにどこかでぶつけるか何かされたようで、刃物台の位置を調整する「遊び」がなく片方に一杯寄っている状況であることが判明。これは一度ばらして組みなおすことで多少のクリアランスができ今まで順調に動いています。
後は今回のドローバーで、チャック側のネジがかなり傷んでいるようで押すときも引く時もガタ(遊び)が多くなってしまっており、ミスチャックを引き起こすというものでした。
これは元々コレットが付いていたのをチャック仕様に変更したようで、その絡みでネジが傷んでしまったようです。
トラブルの流れ
外掴みの場合は問題ありませんが、内張で加工するときにミスチャックがかなりの頻度で発生するようになりました。これに対してチャック開閉のセンサー位置を変えることで何とか対応していましたが、位置変更してもまた次から次へと変わっていくため対応がしんどくなってきたことと、このままいくとドローバーもナットもやられてしまう可能性があるという危機感から、最初からこのドローバーが傷んでいることはわかっていたので思い切ってこの暇な時期に製作してしまおうという事になりました。
パーツセンターに発注してもいいのですが、恐らく数か月待つことになるであろうこと、費用もそれなりにかかってくるであろうことを考慮し社内で製作して対応することに。
修理手順
まずはチャックを外し、シリンダーサイドの部品や油圧ホースを取り外しました。すべて林部長が対応してくれています。これを機会にチャックの掃除もしておくとのことで分解しています。
森精機さんは意外と図面発行してくれるので助かります。ただし公差とか材質とかは教えてはもらえないですがそれでも何もないよりは非常に参考にできます。
材料はシームレスのSTKMを発注、Φ60があればよかったのですがΦ60.5しかないという事で一皮剝く作業が入ります。仕方のないことでしょう。あとは両端にM60のネジを切るだけなので大したことではありませんが、内径は黒皮のままなので振れが心配ではあります。高回転時に振れがあると振動が発生し精度にも影響が出る可能性がありますよね。
まあそこはやってみないとという事で進めることにします。
材料入荷まで数日を要するのでそれまでは合間に清掃しながらという事になりそうです。
ドローバー製作交換
ドローバー社内で製作してもらいました。
ただ、ナットの方も入口がバカになっているようで5㎜程落としてネジの利くところを使用しなければならないという事でした。つじつまを合わせるためにドローバーは5㎜長く製作しナットの不足分を補います。
これで内張り仕事で直っているかどうか再検証となりますが、実はこれでもミスチャックは発生しています。今までだとセンサーの位置を変えることで微調整できていましたがどうやらセンサーの調整範囲内を超えてしまっているようです。もう一度そこを修正してやり直しという事に現状はなっています。
近接スイッチ交換
突き詰めて調べていくと、どうやら近接SW(センサー)自体もあまり調子がよくなさそうだったので交換することにしました。
結果的にこれでチョコ停なしで動いていますのでドローバーはもちろんですが総合的にあまりいい状態ではなかったようです。時間と費用は掛かりましたがこれでしっかり働いてくれると思います。修理に当たってくれたみんなに感謝です。
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